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老健の介護支援専門員(ケアマネ)の配置基準|100:1の計算と兼務の可否

運営・編集:Yusuke Hiramatsu

この記事の結論

老健の介護支援専門員は、常勤換算ではなく「入所者100人又はその端数を増すごとに1人」を標準として配置します(厚生省令第40号第2条第1項第7号)。専らその職務に従事する常勤者であることが原則ですが、入所者の処遇に支障がなければ施設内の他職務と兼務できます(同条第5項)。

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老健(介護老人保健施設)を運営していて、「ケアマネ(介護支援専門員)は何人置けばいいのか」「入所者が増えたら、いつ増員すべきか」と悩んでいませんか。老健のケアマネ配置は、医師や看護・介護職員とは数え方そのものが違うため、他の職種の基準をそのまま当てはめると判断を誤りやすい分野です。

老健のケアマネ配置基準は「頭数」基準 — 他職種との数え方の違い

老健の人員配置基準を定める介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準(平成11年厚生省令第40号)第2条を見ると、医師・看護職員・介護職員・理学療法士等は「常勤換算方法」によって必要数を算定すると明記されています。常勤換算(パート職員の勤務時間を常勤職員の人数に置き換えて計算する方法)とは、非常勤職員の週勤務時間の合計を常勤職員の週所定労働時間で割って人数に換算する考え方です。

ところが同条第1項第7号の介護支援専門員については「一以上(入所者の数が百又はその端数を増すごとに一を標準とする。)」とだけ定められており、常勤換算方法という文言がありません。さらに第5項で「専らその職務に従事する常勤の者でなければならない」と定められているため、ケアマネの配置基準は複数の非常勤職員の勤務時間を積み上げて1人分とする計算ではなく、常勤者の頭数で数える基準だと理解する必要があります。この違いに気づかず、非常勤ケアマネの時間を合算して基準を満たしたつもりになっているケースは、実務上よく見られる誤解のひとつです。

押さえておきたい基準の考え方 — 特養・特定施設との比較

介護支援専門員(計画作成担当者)の100対1配置は、老健だけでなく特別養護老人ホームや介護付き有料老人ホーム等にも共通する考え方です。根拠条文と専従・兼務の扱いを整理すると次のようになります。

施設種別配置基準常勤換算の扱い専従・兼務根拠
介護老人保健施設(老健)入所者100人又はその端数ごとに1人を標準常勤換算方法ではなく頭数専従常勤が原則。処遇に支障なければ兼務可厚生省令第40号第2条第1項第7号・第5項
指定介護老人福祉施設(特養)入所者100人又はその端数ごとに1人を標準同上同上厚生省令第39号第2条第1項第6号・第9項
特定施設入居者生活介護利用者100人又はその端数ごとに1人を標準(計画作成担当者)同上同上厚生省令第37号第175条第1項第4号・第7項

ここで実際に計算してみます。入所者120人の老健であれば、120 ÷ 100 = 1.2 となり、「端数を増すごとに1人を標準とする」規定により、ケアマネは2人以上が目安になります。一方、入所者80人の老健では 80 ÷ 100 = 0.8 ですが、基準は「一以上」が土台にあるため、最低1人の配置が必要です。自施設の入所定員に当てはめた人数をすぐに確認したい方は、必要職員数計算ツールで入所定員を入力してみてください。

現場でよくある悩み・対応のヒント

人手不足の老健では、「ケアマネに支援相談員や生活相談員の業務も兼務させられないか」という相談が少なくありません。先述のとおり、第2条第5項は入所者の処遇に支障がない場合の兼務を認めており、厚生労働省の通知(老企第44号)では、兼務する他の職務の常勤換算にも当該介護支援専門員の勤務時間の全体を算入できるとされています。一方で、同通知は老健のケアマネと居宅介護支援事業者のケアマネとの兼務は原則として認めていません(配置基準を上回って増員した非常勤ケアマネを除く例外はあります)。施設内での兼務と事業所をまたぐ兼務は扱いが異なる点に注意してください。

もうひとつ現場で判断に迷いやすいのが、本体施設と連携して運営するサテライト型小規模老健(定員29人以下)の扱いです。基準省令第2条第6項では、本体施設のケアマネ等によって入所者の処遇が適切に行われると認められる場合、サテライト型施設側に介護支援専門員を置かないことができるとされています。ただし、この特例を適用できるかどうかは本体施設との連携体制によって判断が分かれるため、詳しくは事業所所在地の自治体(指定権者)や顧問の社会保険労務士にご確認ください。

よくある誤解・注意したいポイント

ひとつ目の誤解は、前述した常勤換算に関するものです。非常勤ケアマネを2人組み合わせて常勤換算1人分にする、という発想は老健のケアマネ配置基準には通用しません。基準が求めているのは「専らその職務に従事する常勤の者」の頭数であり、常勤換算方法が明記されている職種とは前提が異なります。

もうひとつの誤解は、資格さえあれば配置基準を満たせるという考え方です。介護支援専門員の資格を持つ人を名目上配置していても、実際には他施設や他の職務にほとんどの時間を使っているような状態では、「専らその職務に従事する常勤の者」の要件を欠くと判断される可能性があります。兼務させる場合も、入所者の処遇に支障が生じていないかを施設側で常に確認しておく必要があります。

まとめ

  • 老健のケアマネ配置基準は、入所者100人又はその端数を増すごとに1人を標準とする頭数基準で、医師・看護・介護職員のような常勤換算方法ではない
  • 介護支援専門員は専らその職務に従事する常勤の者が原則だが、入所者の処遇に支障がなければ施設内の他職務と兼務できる(居宅介護支援事業者との兼務は原則不可)
  • サテライト型小規模老健では、本体施設のケアマネ等で処遇が確保できる場合に配置を免除できる特例がある
  • 自施設の入所定員で必要人数を具体的に把握したい場合は、まずは無料の必要職員数計算ツールで確認してみましょう
  • 兼務の可否や特例適用の判断に迷う場合は、事業所所在地の自治体(指定権者)や顧問の社会保険労務士に相談することをおすすめします

なお、介護報酬改定はおおむね3年に一度行われ、直近の改定は2027年度に見込まれています。本記事の内容は2026年時点の基準に基づくため、最新情報は厚生労働省の公式発表で確認してください。

よくある質問

Q. 老健のケアマネは入所者何人に対して何人必要ですか?

2026年時点の基準では、入所者100人又はその端数を増すごとに1人を標準として配置します。例えば入所者120人の施設であれば、120 ÷ 100 = 1.2 となり、2人以上の配置が目安です(根拠:介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準(平成11年厚生省令第40号)第2条第1項第7号)。

Q. ケアマネは常勤換算で複数の非常勤職員を組み合わせて配置できますか?

できません。老健のケアマネ配置基準は、医師や看護・介護職員のような常勤換算方法ではなく、専らその職務に従事する常勤の者という頭数の基準です(同基準第2条第5項)。非常勤職員の勤務時間を積み上げて1人分とする常勤換算の考え方は適用されません。

Q. ケアマネは他の職務と兼務できますか?

入所者の処遇に支障がない場合には、同じ老健内の他の職務(支援相談員など)と兼務できます。兼務する時間の全体を兼務先の常勤換算にも算入できますが、居宅介護支援事業者のケアマネとの兼務は原則として認められていません(厚生労働省老企第44号)。

Q. サテライト型小規模老健でもケアマネを必ず配置する必要がありますか?

定員29人以下のサテライト型小規模老健では、本体施設との密接な連携のもとで本体施設のケアマネ等により入所者の処遇が適切に行われると認められる場合に限り、介護支援専門員を置かないことができます(基準省令第2条第6項)。適用できるかどうかは施設の体制によって異なるため、事業所所在地の自治体(指定権者)にご確認ください。

Q. ケアマネが配置基準を満たせない期間が続くとどうなりますか?

人員基準を満たさない状態が続くと、介護報酬の減算対象となる可能性があります。具体的な減算率や猶予期間の扱いは通知や自治体の運用によって異なる場合があるため、詳しくは事業所所在地の自治体(指定権者)や顧問の社会保険労務士にご確認ください。

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