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老健の人員配置を定員100人で計算すると|医師・看護・介護・リハビリ職の必要人数早見表

運営・編集:Yusuke Hiramatsu

この記事の結論

定員100人の老健では、常勤換算で医師1人以上・看護・介護職員34人以上(看護約10人・介護約24人が標準の目安)・支援相談員1人以上(常勤)・PT等のリハビリ職1人以上・栄養士(管理栄養士)1人以上が必要です。根拠は厚生省令第40号第2条です。

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定員100人の老健を運営していて、こんな数字で迷っていませんか

「定員100人の介護老人保健施設(老健)を開設・運営するにあたって、医師・看護職員・介護職員・リハビリ職はそれぞれ何人必要なのか」――新規開設の準備や、既存施設の人員体制の見直しの場面で、この疑問にぶつかる運営者・採用担当者は少なくありません。老健は特別養護老人ホームと違って医師やリハビリ専門職の配置基準も独自に定められているため、職種が多く計算が煩雑になりがちです。この記事では、定員100人という具体的な数字にあわせて、職種ごとの必要人数を一つずつ計算し、早見表として整理します。

老健の人員配置基準の特徴 ― 職種ごとに計算式が異なる

老健の人員配置基準は、介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準(平成11年厚生省令第40号)第2条第1項にまとめて定められていますが、職種によって計算の考え方が違うのが特徴です。看護・介護職員は「入所者3人につき1人以上」という比率で決まるのに対し、医師・リハビリ職(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)・支援相談員・介護支援専門員は「入所者100人につき1人以上」という100人単位の比率が基準になります。定員がちょうど100人の施設では、この100人単位の基準がそのまま「1人以上」という分かりやすい数字になるため、他の定員規模よりも早見表として整理しやすい場面です。

一方で、同じ100人単位の職種でも計算の仕方には違いがあります。医師とリハビリ職は常勤換算方法(非常勤職員の勤務時間を常勤職員の人数に換算する方法)で判定しますが、支援相談員は原則として員数(頭数)で判定し、100人を超えた分だけ常勤換算を使う扱いです。栄養士(管理栄養士)は「入所定員100人以上」という定員基準で必置・努力義務が切り替わる点も独自です。この違いを理解していないと、100人ぎりぎりの定員で「どの職種がどの計算方法なのか」を混同しやすくなります。

定員100人で計算する職種別必要人数早見表

厚生省令第40号第2条と、その解釈通知である老企第44号に基づき、定員100人の老健に当てはめた必要人数を整理すると、次のとおりです(2026年時点の基準)。

職種基準の考え方定員100人での必要人数
医師常勤換算で入所者数÷100人以上。入所者数にかかわらず常勤医師1人は必須常勤換算1人以上
薬剤師入所者数÷300人が標準の目安。施設の実情に応じた適当数常勤換算0.33人相当が目安(具体的な義務人数ではない)
看護職員+介護職員(合計)常勤換算で入所者3人につき1人以上。看護は総数の7分の2程度、介護は7分の5程度が標準常勤換算34人以上(看護約10人・介護約24人が目安)
支援相談員入所者100人につき1人以上(員数)。100人を超える分は常勤換算で追加。1人以上は常勤1人以上(常勤)
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士(合計)常勤換算で入所者数÷100人以上常勤換算1人以上
栄養士又は管理栄養士入所定員100人以上の施設は常勤1人以上が必置常勤1人以上
介護支援専門員1人以上。入所者100人ごとに1人を標準とし、専従が原則1人以上
調理員・事務員その他の従業者施設の実情に応じた適当数(具体的な人数基準なし)規定なし

具体的な計算過程を確認しておきましょう。看護・介護職員の合計数は、100 ÷ 3 = 33.33…となり、端数を切り上げて常勤換算34人以上が必要です。このうち看護職員は34 × 2 / 7 = 約9.7人(10人程度)、介護職員は34 × 5 / 7 = 約24.3人(24人程度)が標準的な配分の目安になります。医師とリハビリ職は、100 ÷ 100 = 1人以上とシンプルに求まりますが、医師については入所者数が100人未満であっても常勤医師1人の配置義務自体は変わらない点に注意してください。

常勤換算数は、常勤職員数+非常勤職員の週勤務時間合計÷常勤の週所定労働時間(小数点第2位以下切り捨て)で求めます。自施設の職員構成をこの式に当てはめて確認したい場合は、常勤換算計算ツールで非常勤職員の勤務時間を入力すると自動で計算できます。さらに、入所定員と現在の職員数をまとめて入力して職種別の過不足を一度に確認したい方は、必要職員数計算ツールをご利用ください。

現場でよくある悩み・対応のヒント

定員100人規模の老健でとくに相談が多いのが、「看護・介護職員の7分の2・7分の5という内訳をどこまで厳密に守る必要があるか」という悩みです。老企第44号ではこの比率を「標準とする」という表現にとどめており、絶対的な人数基準ではなく目安という位置づけです。法令上の必須条件はあくまで看護・介護職員を合わせた常勤換算34人以上という合計基準であり、看護師の採用が追いつかない時期に一時的に内訳が目安からずれても、ただちに基準違反になるわけではありません。ただし、実地指導では内訳の妥当性も確認対象になりうるため、極端に看護職員が少ない体制を放置するのは避けたいところです。

もう一つ多いのが、「定員が100人からわずかに増減したときに、どの職種の必要人数が変わるのか」という悩みです。医師・リハビリ職・支援相談員・介護支援専門員は100人を基準にした比率なので、定員が101人になった瞬間に端数が生じ、追加配置が必要になる職種があります。たとえば支援相談員は、入所者が100人を超える場合、常勤の支援相談員1人に加えて超過分を100で除した数以上を常勤換算で追加する扱いです。栄養士・管理栄養士についても、入所定員が100人以上かどうかで必置か努力義務かが切り替わるため、定員変更を検討する際は「100人」というラインをまたぐかどうかを必ず確認する必要があります。

医師の確保についても、定員100人規模の施設では特有の悩みがあります。常勤換算1人以上という基準自体は小規模施設と同じ考え方ですが、入所者数にかかわらず常勤医師1人の配置が必須という原則があるため、常勤医師が退職すると運営継続に直結するリスクになります。近隣の医療機関と提携して複数の非常勤医師の勤務時間を積み上げる方法も認められていますが、その場合でも入所者全員の病状把握と施設療養管理に責任を持つ医師を1人定めておく必要があります。

よくある疑問・誤解しやすいポイント

「定員100人なら、どの職種も1人ずつ揃えればよい」という誤解が見られますが、実際には看護・介護職員のように入所者3人につき1人という比率で決まる職種もあり、職種によって計算式がまったく異なります。この記事の早見表のとおり、100人単位の職種(医師・リハビリ職・支援相談員・介護支援専門員)と、3人単位の職種(看護・介護職員)を混同しないことが大切です。

また、「栄養士は定員100人を超えた時点で初めて必要になる」という誤解もありますが、基準は「入所定員100人以上」であり、ちょうど100人の施設も必置の対象に含まれます。100人を下回った場合は努力義務にとどまりますが、ケアに栄養士が深く関わっている施設では、定員変動にかかわらず配置を維持する施設が多いのが実情です。

個別の施設の人員体制や、自治体独自の運用上の取り扱いについては、詳しくは事業所所在地の自治体(指定権者)や顧問の社会保険労務士にご確認ください。まずは必要職員数計算ツールで、自施設の定員・現在の職員数を入力し、職種別の充足状況を確認してみましょう。

まとめ

  • 定員100人の老健では、常勤換算で医師1人以上・看護・介護職員34人以上(看護約10人・介護約24人が標準の目安)・リハビリ職(PT・OT・ST合計)1人以上が必要
  • 支援相談員は1人以上(常勤)、栄養士・管理栄養士は常勤1人以上が必置、介護支援専門員は1人以上が標準
  • 根拠は介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準(平成11年厚生省令第40号)第2条
  • 看護・介護職員の7分の2・7分の5という内訳比率は目安(標準)であり、合計34人以上という基準自体が必須条件
  • 医師・リハビリ職・支援相談員・介護支援専門員は定員100人を境に必要人数が変わるため、定員変更の際は確認が必要
  • 2026年時点の基準に基づく内容であり、次回の介護報酬改定は2027年度に見込まれているため、最新情報は厚生労働省の公式発表で確認する
  • 個別の当てはめに迷う場合は、事業所所在地の自治体(指定権者)や顧問の社会保険労務士に確認するのが確実

よくある質問

Q. 定員100人の老健で、看護・介護職員の7分の2・7分の5の内訳を守らないと基準違反になりますか?

ただちに基準違反にはなりません。老企第44号では、看護職員が総数の7分の2程度、介護職員が7分の5程度を標準とすると定められていますが、この内訳は目安(標準)という位置づけです。法令上の必須条件は、看護・介護職員を合わせた常勤換算34人以上という合計基準を満たすことです。ただし実地指導では内訳の妥当性も確認対象になりうるため、極端に偏った体制は避けることをおすすめします。

Q. 定員100人の老健で、常勤医師が1人もいない場合はどうなりますか?

老健は常勤医師1人の配置が入所者数にかかわらず必須の基準です。常勤医師が確保できていない状態が続くと、基準省令第2条に基づく人員基準を満たしていないことになり、指定権者から指導や改善報告を求められる可能性があります。長期で確保が難しい場合は、複数の非常勤医師の勤務時間を積み上げつつ、療養管理全体に責任を持つ医師を1人定める体制を検討し、早めに指定権者へ相談することをおすすめします。

Q. 定員100人と定員101人で、必要な職員数はどのくらい変わりますか?

医師・リハビリ職(PT・OT・ST合計)は、100 ÷ 100 = 1人以上から101 ÷ 100 = 1.01人相当に変わり、端数が生じるため常勤換算での上乗せが必要になります。支援相談員は、入所者が100人を超えた時点で常勤1人に加えて超過分を100で除した数以上の常勤換算での追加配置が必要です。看護・介護職員は101 ÷ 3 = 33.67…となり、端数切り上げで常勤換算34人以上と、ちょうど100人の場合と同じ人数のままになります。職種によって「100人」という節目の影響の出方が異なる点に注意してください。

Q. 薬剤師は定員100人の老健でも必ず配置しなければなりませんか?

薬剤師の基準は「入所者数÷300人が標準」とされており、具体的な義務人数を定めた規定ではなく、施設の実情に応じた適当数という位置づけです。定員100人であれば100 ÷ 300 = 約0.33人相当が目安になりますが、常勤の薬剤師を必ず1人雇用しなければならないわけではなく、非常勤契約や近隣薬局との連携で対応している施設が多いのが実情です。

Q. 定員100人の老健で、栄養士は非常勤でもよいですか?

入所定員100人以上の施設では、栄養士又は管理栄養士の常勤1人以上の配置が必置とされています。給食調理そのものを外部委託していても、栄養ケア・マネジメントを担う栄養士(管理栄養士)の常勤配置義務は別に残ります。定員が100人未満に変更された場合は努力義務にとどまりますが、日常的なケアに深く関わっている場合は配置を維持する施設が多くみられます。

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