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施設タイプ別

介護施設の看護職員の配置基準|施設種別ごとの必要人数と兼務の可否

運営・編集:Yusuke Hiramatsu

この記事の結論

特養(介護老人福祉施設)は入所者数に応じて看護職員が常勤換算1〜3人以上必要で、看護・介護職員の総数は入所者3人につき1人以上(根拠:指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準第2条第1項第3号)。老健はさらに、看護・介護職員のうち看護職員がおおむね7分の2を占めることが標準とされています。

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施設によって「看護職員の人数」の考え方はまったく違う

「介護施設 看護職員 配置基準」で検索すると、一般的な人員配置基準の説明ばかりがヒットして、自施設の種別に当てはまる基準が結局どれなのか分かりにくい、と感じていませんか。とくに特別養護老人ホーム(特養)で「看護師は何人必要なのか」「介護職員との比率はどう決まるのか」を採用計画の前に確認したい、という悩みは多く聞かれます。この記事では、施設種別ごとに看護職員の配置基準の根拠条文と具体的な人数の考え方を整理し、現場での兼務・夜勤体制の悩みにも触れます。

施設種別における配置基準の特徴

介護施設の看護職員配置基準は、大きく分けて3つのパターンがあります。

  1. 入所者数の区分ごとに看護職員の最低人数が定められているタイプ(特養、特定施設入居者生活介護)
  2. 看護・介護職員をまとめて「入所者3人に1人」とし、そのうち看護職員の割合が目安で示されるタイプ(介護老人保健施設)
  3. 看護職員の配置自体が義務ではなく、加算要件として求められるタイプ(認知症対応型共同生活介護=グループホーム)

同じ「看護職員の配置基準」という言葉でも、施設種別によって根拠条文も計算式も異なるため、自施設がどのパターンに当てはまるかをまず押さえることが重要です。

施設種別ごとの看護職員配置基準

特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)

根拠は指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第39号)第2条第1項第3号です。看護職員(看護師・准看護師)の人数は入所者数の区分ごとに次のように定められています。

入所者数看護職員の必要数(常勤換算)
30人以下1以上
30人超〜50人以下2以上
50人超〜130人以下3以上
130人超3に、130人を超えて50人(またはその端数)を増すごとに1を加えた数以上

同条では、これとは別に「介護職員及び看護職員の総数は、常勤換算方法で、入所者の数が3又はその端数を増すごとに1以上」という規定もあります。つまり特養では、①看護・介護職員全体の3:1基準、②看護職員単独の最低人数、という2つの基準を同時に満たす必要があります。

計算例:入所者80人の特養の場合、看護・介護職員の総数は80 ÷ 3 = 26.67 → 端数切り上げで常勤換算27人以上が必要です。このうち看護職員は入所者数区分「50人超〜130人以下」に該当するため、最低3人以上(常勤換算)を確保しなければなりません。自施設の入所者数を入れて必要人数をすぐ確認したい方は、人員配置基準チェッカーをお試しください。

介護老人保健施設(老健)

根拠は介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準(平成11年厚生省令第40号)第2条第1項第3号です。老健では看護職員と介護職員を「看護・介護職員」として一体で数え、次のように定められています。

看護師若しくは准看護師(看護職員)又は介護職員(看護・介護職員) 常勤換算方法で、入所者の数が3又はその端数を増すごとに1以上(看護職員の員数は看護・介護職員の総数の7分の2程度を、介護職員の員数は看護・介護職員の総数の7分の5程度をそれぞれ標準とする。)

特養と違い、看護職員の最低人数が入所者数の区分で個別に定められているわけではなく、「看護・介護職員全体の7分の2程度」という目安(標準)である点が特徴です。「程度」「標準」という表現のため、実際の内訳は施設のケア方針や入所者の医療ニーズによって調整されます。厳密な人数の妥当性は指定権者ごとの運用判断が入る余地があるため、詳しくは事業所所在地の自治体(指定権者)や顧問の社会保険労務士にご確認ください。

介護医療院

根拠は介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準(平成30年厚生労働省令第5号)第5条です。医療的なケアの比重が大きい施設のため、看護職員のみで「入所者数を6で除した数以上(常勤換算)」という基準が設けられています(介護職員は別途、入所者数を5または6で除した数以上など、療養床の別によって基準が分かれます)。特養・老健と異なり、看護職員の必要人数だけを独立して計算する点が大きな違いです。

特定施設入居者生活介護(有料老人ホーム等)

根拠は指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)第175条です。看護職員の人数は次のとおりです。

  • 利用者数が30人を超えない場合:常勤換算方法で1以上
  • 利用者数が30人を超える場合:常勤換算方法で1に、30人を超えて50人(またはその端数)を増すごとに1を加えた数以上

さらに、看護職員又は介護職員の合計数は、常勤換算方法で「利用者数(要支援者は10分の3を乗じた数)が3又はその端数を増すごとに1以上」という基準も設けられています。特養と同じ「区分ごとの最低人数+総数の3:1基準」という二段構えの構造ですが、要支援者の扱いが異なる点に注意が必要です。

認知症対応型共同生活介護(グループホーム)

グループホームは医療機関ではなく、日常生活上の支援を中心とするサービスのため、看護職員の配置は人員基準上の義務ではありません。ただし、医療ニーズのある利用者を受け入れる体制を評価する「医療連携体制加算」のうち加算(Ⅱ)・(Ⅲ)を算定する場合は、看護師又は准看護師を常勤換算1名以上確保することが算定要件になります。義務配置ではないからといって看護体制を軽視してよいわけではなく、受け入れる利用者像に応じて任意配置を検討する施設が多いのが実情です。

現場でよくある悩み・対応のヒント

看護職員の採用は介護職員以上に難しいという声をよく聞きます。特養・老健のような常勤換算での基準は、常勤看護師を必要人数分そろえられなくても、非常勤(パート)看護師の勤務時間を積み上げて満たすことができます。常勤換算数は「常勤職員数+非常勤職員の週勤務時間合計÷常勤の週所定労働時間」で計算するため、たとえば週20時間勤務のパート看護師を2人採用すれば、常勤の週所定労働時間が40時間の施設では常勤換算1人分に相当します。

夜勤帯の看護職員配置については、特養・老健とも夜間の看護職員配置そのものは基準上必須ではなく、多くの施設はオンコール体制(緊急時に連絡が取れる体制)で対応しています。ただし、夜勤を含む看護体制を評価する加算(夜勤職員配置加算など)を算定する場合は、加算ごとの要件を別途確認する必要があります。基準を満たすための配置と、加算を取るための配置は別物として整理しておくと、採用計画が立てやすくなります。

まずは無料の人員配置基準チェッカーで、自施設の入所者数・利用者数を入力し、看護職員を含む必要人数を確認してみましょう。

よくある疑問・誤解しやすいポイント

「看護職員の基準を満たしていれば加算も取れる」と誤解されがちですが、基準上の必須配置と、加算算定に必要な追加配置は別の話です。たとえば老健の「7分の2程度」は最低基準を満たすための標準的な内訳であり、これとは別に夜間看護体制加算などの上乗せ要件が存在します。また、准看護師も「看護職員」に含まれるため、正看護師でなければ基準を満たせないという誤解にも注意が必要です。

よくある質問

Q. 特養で看護職員が基準人数に届かない場合、どうなりますか?

看護職員を含む人員基準を満たせない状態が続くと、介護報酬の減算対象になる可能性があります。減算の具体的な要件・割合は施設種別や不足の程度によって異なるため、詳しくは事業所所在地の自治体(指定権者)にご確認ください。

Q. 看護職員には准看護師も含まれますか?

はい。特養・老健・特定施設のいずれの基準でも「看護師又は准看護師」を看護職員として扱っています(指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準第2条第1項第3号など)。

Q. 老健の「7分の2程度」は厳密に守らないといけませんか?

条文上「程度」「標準」という表現になっており、厳密な固定比率ではなく目安として扱われています。ただし、看護・介護職員全体の常勤換算数(入所者3人につき1人以上)自体は満たす必要があります。具体的な運用は指定権者の判断が関わるため、顧問の社会保険労務士や自治体に確認することをおすすめします。

Q. グループホームで看護師を雇うメリットはありますか?

医療ニーズのある利用者の受け入れ幅が広がることに加え、医療連携体制加算(Ⅱ)・(Ⅲ)の算定要件を満たせる可能性があります。人員基準上の義務ではないため、収支への影響を含めて検討するとよいでしょう。

Q. 施設を複数運営している場合、看護職員を兼務させられますか?

原則として、人員基準上の常勤職員は当該事業所の職務に専従する必要があり、複数施設を掛け持ちする兼務は基準を満たさない扱いになる場合があります。管理者など一部の職種を除き兼務が認められるかどうかは施設種別・職種ごとに条件が異なるため、詳しくは事業所所在地の自治体(指定権者)や顧問の社会保険労務士にご確認ください。

まとめ

  • 特養は「看護職員単独の入所者数区分による最低人数」と「看護・介護職員総数の3:1基準」の両方を満たす必要がある
  • 老健は看護・介護職員を一体で「入所者3人に1人」とし、そのうち看護職員はおおむね7分の2が標準
  • 介護医療院は看護職員のみで「入所者数÷6以上」という独立した基準がある
  • 特定施設入居者生活介護(有料老人ホーム等)は特養に近い二段構えの基準で、要支援者の扱いに注意
  • グループホームは看護職員の配置義務がなく、加算を取る場合にのみ配置要件が生じる
  • 常勤換算の考え方を理解すれば、非常勤看護師の組み合わせでも基準を満たせる
  • 制度の詳細な運用や自施設固有の判断は、事業所所在地の自治体(指定権者)や顧問の社会保険労務士に確認する

介護報酬改定はおおむね3年に一度行われ、次回改定は2027年度に見込まれています。本記事の数値は2026年時点の基準に基づくため、最新情報は厚生労働省の公式発表で確認してください。

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