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人員配置基準

常勤換算に有給休暇や研修時間は含める?勤務時間のカウント範囲を解説

運営・編集:Yusuke Hiramatsu

この記事の結論

非常勤職員の有給休暇や出張の時間は、常勤換算の勤務延時間数には含めません。一方、常勤職員が休暇を取った場合は、その期間が暦月で1か月を超えない限り通常どおり勤務したものとして扱います(平成14年3月28日厚生労働省事務連絡「運営基準等に係るQ&A」問1)。研修時間は、勤務表上サービス提供やその準備として位置づけられているかどうかで判断が分かれます。

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常勤換算に有給休暇や研修時間は含める?勤務時間のカウント範囲を解説

パート職員が急に有給休暇を取った週や、職員を法定研修に参加させた日、常勤換算数(パート職員の勤務時間を常勤職員の人数に置き換えて計算する方法)の計算にその時間を入れていいのか迷ったことはありませんか。ギリギリの人員配置で運営している施設ほど、この扱い一つで基準を満たすかどうかが変わってきます。本記事では、常勤換算の分子にあたる「勤務延時間数」に有給休暇や研修時間を含めてよいかを、厚生労働省の通知にもとづいて整理します。

「勤務延時間数」にそもそも何が数えられるのか

常勤換算方法とは、厚生労働省の解釈通知(老企第25号「指定居宅サービス等及び指定介護予防サービス等に関する基準について」第二 総論2(1))で「当該事業所の従業者の勤務延時間数を当該事業所において常勤の従業者が勤務すべき時間数(三二時間を下回る場合は三二時間を基本とする。)で除することにより、当該事業所の従業者の員数を常勤の従業者の員数に換算する方法」と定義されています(厚生労働省・老企第25号)。

分子となる「勤務延時間数」は、居宅サービス運営基準の解釈通知で「勤務表上、当該事業に係るサービスの提供に従事する時間(又は当該事業に係るサービスの提供のための準備等を行う時間(待機の時間を含む))として明確に位置づけられている時間の合計数」とされています。つまり、実際にサービス提供やその準備にあたっている時間だけがカウントの対象で、それ以外の時間は原則として含まれません。

有給休暇・出張の扱いは常勤と非常勤で異なる

この定義を踏まえ、厚生労働省は平成14年3月28日付の事務連絡「運営基準等に係るQ&A」問1で、休暇・出張の扱いを次のように明確にしています(厚生労働省・介護サービス関係Q&A集)。

  • 非常勤の従業者:休暇や出張の時間は「サービス提供に従事する時間とはいえない」ため、常勤換算する場合の勤務延時間数には含めない
  • 常勤の従業者:休暇等の期間が暦月で1か月を超えるものでない限り、常勤の従業者として通常どおり勤務したものとして取り扱う

つまり、同じ「有給休暇」でも、常勤か非常勤かで結果が逆になります。常勤職員が数日の有給を取っても常勤換算数への影響はありませんが、非常勤(パート)職員が有給を使った週は、その分の時間を除いて実際の勤務時間だけを積み上げる必要があります。

施設種別ごとの具体例

特養(介護老人福祉施設)の場合

常勤の介護職員Aさんが月の途中で3日間の年次有給休暇を取得したとします。この3日間の休暇は暦月で1か月を超えていないため、常勤換算方法での計算上はAさんを引き続き「常勤1人分」として扱います。常勤換算数を計算する際に、休暇分を差し引いて0.9人分などと按分する必要はありません。

デイサービス(通所介護)の場合

非常勤の介護職員Bさんの週所定勤務時間が20時間だとします。ある週に1日分(6時間)の有給休暇を取得した場合、実際に勤務したのは14時間です。この週の常勤換算計算に含められる勤務延時間数は、休暇分を除いた実働の14時間であり、契約上の20時間をそのまま使うことはできません。常勤の週所定労働時間が40時間の施設であれば、この週のBさんの常勤換算への寄与は「20時間÷40時間=0.5人分」ではなく「14時間÷40時間=0.35人分」となります。基準ギリギリの体制でパート職員の休暇が重なると、常勤換算数が基準を割り込む可能性がある点に注意が必要です。実際に自施設の数字で確認したい方は、常勤換算計算ツールに休暇を除いた実働時間を入力してみると、影響の大きさが具体的にわかります。

研修時間はどう扱うか

有給休暇と違い、研修時間については前述のQ&Aのような明確な個別回答は公表されていません。判断の軸になるのは、あくまで老企第25号の定義である「勤務表上、サービス提供に従事する時間、又はその準備等を行う時間として明確に位置づけられているか」です。事業所が勤務表上で業務時間として位置づけている法定研修やOJTは含められる可能性がありますが、業務時間外に自主参加する研修や、勤務表に位置づけられていない自己研鑽の時間は、サービス提供のための準備等とは言いにくく、含めるべきではないと考えられます。この線引きは自治体(指定権者)の運用によって判断が分かれることもあるため、個別のケースは必ず事業所所在地の自治体や顧問の社会保険労務士にご確認ください。

確認の手順・チェックポイント

まず、対象の職員が常勤か非常勤かを確認します。次に、休暇や研修が勤務表上でどのように位置づけられているかを確認します。非常勤職員であれば、休暇・出張に相当する時間を除いた実際の勤務時間だけを積み上げて集計し直します。常勤職員であれば、休暇等の期間が暦月で1か月を超えていないかを確認し、超えていなければ通常勤務として扱って差し支えありません。研修時間については、勤務表上の位置づけを個別に確認し、判断に迷う場合は自治体に確認します。集計し直した数字を使って基準を満たしているか確かめたい方は、まずは無料の人員配置基準チェッカーで確認してみましょう。休暇分を除いた実働時間を入力するだけで、施設種別ごとの必要人数との比較結果がその場でわかります。

注意点・誤解しやすいポイント

よくある誤解は、「有給休暇は一律で除外」あるいは「一律で含める」と単純化してしまうことです。実際には常勤と非常勤で扱いが逆になるため、職員ごとの雇用形態を確認せずに一律処理すると計算を誤ります。

もう一つの誤解は、常勤職員の休暇であれば期間の長さを問わず常勤として扱えると思い込むことです。休暇等の期間が暦月で1か月を超える場合は取り扱いが変わるため、産休・育休や長期の病気休暇など長期間に及ぶケースでは注意が必要です。

研修についても、「業務命令の研修だから当然含まれる」と決めつけるのは早計です。勤務表上の位置づけが曖昧なまま計算に含めてしまうと、実地指導で指摘を受けるおそれがあります。

まとめ

  • 非常勤職員の有給休暇・出張の時間は、常勤換算の勤務延時間数に含めない
  • 常勤職員の休暇等は、暦月で1か月を超えない限り通常どおり勤務したものとして含める
  • 根拠は老企第25号の定義と、平成14年3月28日の厚生労働省事務連絡「運営基準等に係るQ&A」問1
  • 研修時間は、勤務表上サービス提供やその準備として位置づけられているかどうかで判断する
  • 個別の線引きに迷う場合は、事業所所在地の自治体(指定権者)や顧問の社会保険労務士に確認したうえで、まずはツールで概算を把握するのが近道

よくある質問

Q. 非常勤職員が研修を受けている時間は勤務延時間数に含めますか?

一律の回答は公表されていませんが、勤務表上「サービス提供のための準備等を行う時間」として明確に位置づけられているかどうかが判断の軸になります。業務時間内の法定研修やOJTは含められる可能性がありますが、勤務表に位置づけられていない自主参加の研修は含めるべきではないと考えられます。個別の扱いは事業所所在地の自治体にご確認ください。

Q. 常勤職員が1か月を超える休職をした場合、常勤換算の扱いはどうなりますか?

平成14年3月28日の厚生労働省事務連絡「運営基準等に係るQ&A」問1では、常勤の従業者の休暇等の期間が「暦月で1月を超えるものでない限り」通常どおり勤務したものとして扱うとされています。逆に言えば、1か月を超える休職の場合は同じ扱いにならない可能性があるため、産休・育休や長期の病気休暇を伴うケースは自治体(指定権者)にご確認ください。

Q. 非常勤職員の出張時間はどう扱いますか?

有給休暇と同じ整理です。厚生労働省の同Q&Aで、非常勤職員の出張の時間も「サービス提供に従事する時間とはいえない」ため、常勤換算する場合の勤務延時間数には含めないとされています。

Q. 常勤の所定労働時間が32時間より短い施設では、常勤換算の分母はどうなりますか?

老企第25号の定義上、常勤換算方法の分母となる「常勤の従業者が勤務すべき時間数」は、32時間を下回る場合は32時間を基本として扱います。施設の就業規則上の所定労働時間が32時間未満であっても、常勤換算の計算では32時間を分母にするのが基本的な考え方です。

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