夜勤帯のシフトを組むとき、「最低何人いれば基準を満たせるのか」は管理者にとって切実な問題です。日中の人員配置基準は知っていても、夜勤帯は別のルールで決まることを見落としているケースは少なくありません。この記事では、特養とグループホームを例に、夜勤の最低人数の考え方を、根拠となる告示を示しながら整理します。
夜勤の配置は「日中の3対1」とは別の基準
特養などの日中の配置は「入所者3人に介護・看護職員1人以上(常勤換算)」という3対1で考えます。一方、夜勤帯の配置は、常勤換算ではなく、その時間帯に実際に何人配置するかで判定します。根拠は「厚生労働大臣が定める夜勤を行う職員の勤務条件に関する基準」(平成12年厚生省告示第29号)です(厚生労働省・夜勤を行う職員の勤務条件に関する基準)。
つまり、日中は「常勤換算の延べ人数」、夜勤は「その瞬間に居る実人数」で見る、という違いを押さえることが出発点になります。
特養(従来型)の夜勤職員の必要数
従来型の特養では、入所者数に応じて夜勤を行う介護職員・看護職員の必要数が段階的に定められています(告示第29号)。特養に絞ったより詳しい解説は特養の夜勤帯の人員配置と最低人数の考え方にまとめています。
| 入所者数 | 夜勤職員の必要数 |
|---|---|
| 25人以下 | 1人以上 |
| 26〜60人 | 2人以上 |
| 61〜80人 | 3人以上 |
| 81〜100人 | 4人以上 |
| 101人以上 | 4人に、100人を超えて25人ごとに1人を加えた数以上 |
ここでいう人数は、その夜勤帯に勤務している実際の職員数です。常勤換算ではない点に注意してください。
グループホームはユニットごとに1人
認知症対応型共同生活介護(グループホーム)では、考え方が変わります。告示第29号では、事業所ごとに夜勤を行う介護従業者の数を「共同生活住居(ユニット)ごとに1人以上」と定めています(告示第29号)。2ユニットあれば、夜勤帯は最低2人必要になるということです。
必要数の具体例と見直しの動き
たとえば入所者70人の従来型特養なら、61〜80人の区分に当たるため、夜勤職員は3人以上が必要です。入所者110人なら、101人以上の区分に入るので、100人を超える分は 10 ÷ 25 = 0.4 を切り上げて1人、これを基本の4人に加えて、夜勤5人以上が必要になります。
なお近年は、見守り機器やインカム等のICTを活用して安全性を確保した場合に、夜間の人員配置の要件に関する留意点が示されるなど、運用の見直しも進んでいます。導入を検討する際は最新の通知を確認し、判断に迷う場合は、詳しくは事業所所在地の自治体(指定権者)や顧問の社会保険労務士にご確認ください。
よくある質問
Q. 夜勤の人数も常勤換算で数えるのですか?
いいえ。夜勤帯の必要数は、その時間帯に実際に勤務している職員の人数で判定します。日中の3対1(常勤換算)とは数え方が異なります(告示第29号)。
Q. 入所者60人の特養は夜勤何人必要ですか?
26〜60人の区分に当たるため、夜勤職員は2人以上が必要です。61人になると3人以上に上がります。
Q. グループホームが3ユニットある場合は?
ユニットごとに1人以上のため、夜勤帯は最低3人が必要です(告示第29号)。
Q. ICTを使えば夜勤人数を減らせますか?
見守り機器等の活用を前提とした夜間配置の留意点や加算の仕組みがありますが、適用には要件があります。最新の通知と自治体の解釈を確認してください。