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グループホームのユニットごとの夜勤体制をどう組むか

運営・編集:Yusuke Hiramatsu

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グループホームのユニットごとの夜勤体制をどう組むか

グループホームを運営していて、「うちのユニット数だと夜勤は何人必要なのか」「1人夜勤の負担をどう軽減すればよいのか」と悩んでいませんか。認知症対応型共同生活介護(グループホーム)の夜勤配置は、他の施設種別と違って「ユニット(共同生活住居)ごと」に考える必要があり、シフトの組み方を誤ると基準違反や職員の疲弊につながります。この記事では、グループホームならではの夜勤体制の考え方と、現場での組み方のヒントを整理します。

グループホームの夜勤配置基準の特徴

特養や老健の夜勤配置基準が「入所者数」を基準に施設全体で計算されるのに対し、グループホームの夜勤配置基準はユニット単位で決まる点が最大の特徴です。「指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準」(平成18年厚生労働省令第34号)は、夜間及び深夜の時間帯を通じて1の共同生活住居(ユニット)ごとに1人以上の介護従業者に夜勤を行わせなければならないと定めています。

つまり、入居者が5人のユニットでも9人のユニットでも、夜勤者は「1人以上」という点は変わりません。この「1ユニット1人夜勤」の原則があるため、ユニット数がそのまま夜勤の必要人数の出発点になります。2ユニット運営なら夜勤者は最低2人、3ユニット運営なら最低3人が基本ラインです(厚生労働省・介護給付費分科会資料)。

押さえておきたい基準と考え方

ユニット数ごとの夜勤の基本形と、例外的に緩和できるケースを整理すると次のとおりです。

ユニット数夜勤者数の原則緩和の余地
1ユニット1人以上なし(必ず1人以上)
2ユニット2人以上なし(1ユニット1人が必須)
3ユニット3人以上要件を満たせば2人以上に緩和可

3ユニットの夜勤緩和要件

2021年度(令和3年度)の介護報酬改定で、3ユニット運営の場合に限り、次の要件をすべて満たせば夜勤者を2人以上(本来の3人から1人減)で回すことが認められました。

  • 3ユニットの各ユニットが同一階に隣接していること
  • 職員が円滑に利用者の状況把握を行い、速やかな対応が可能な構造であること
  • 夜間の安全対策(緊急時対応マニュアルの策定・訓練の実施)をとっていること

この特例は3ユニット運営の事業所のみが対象で、1ユニット・2ユニットの事業所には適用されません。緩和を適用する場合は指定権者(市区町村)への届け出が必要です(厚生労働省・介護給付費分科会資料)。

夜勤者1人あたりの負担を数字で見る

3ユニット・各ユニット定員8人(合計24人)の事業所を例に、原則どおり夜勤3人で回す場合と、緩和特例で夜勤2人で回す場合を比べてみます。

  • 原則(夜勤3人):24人 ÷ 3人 = 夜勤者1人あたり平均8人を担当
  • 緩和特例(夜勤2人):24人 ÷ 2人 = 夜勤者1人あたり平均12人を担当

緩和特例を使うと1人あたりの見守り対象人数が増えるため、見守り機器の活用や巡回動線の設計など、安全対策の中身が実質的な負担軽減の鍵になります。日中の常勤換算(入居者3人につき1人以上)を含めた自施設全体の必要人数を確認したい方は、人員配置基準チェッカーをご活用ください。

現場でよくある悩み・対応のヒント

「1人夜勤」の不安にどう向き合うか

1ユニット1人夜勤が原則のため、急変対応や2人以上の入居者が同時に不穏になった場合の対応力に不安を感じる職員は少なくありません。離れたユニットの職員とインカムで常時つながれる体制を作る、見守りセンサーで動きを検知して優先度の高い居室から対応できるようにするなど、「1人でも状況を把握しやすくする工夫」が現実的な対応策になります。基準上は1人配置で足りていても、実際の安全確保は別問題として設備投資や動線の見直しを検討する事業所が増えています。

3ユニット特例を使うかどうかの判断

夜勤者を3人から2人に減らせる特例は人件費の面で魅力的ですが、要件(同一階への隣接、安全対策)を満たしていない状態で運用すると基準違反になります。「近隣の建物だから大丈夫だろう」といった自己判断は避け、要件充足の可否は指定権者に事前相談することが安全です。

夜勤明けの休憩・勤務間インターバル

夜勤者が1人しかいないユニットでは、夜勤中に十分な休憩時間を確保しにくいという声もあります。夜勤専従者を置く、早番の出勤時間を前倒しして引き継ぎ時間に余裕を持たせるなど、労働基準法上の休憩・勤務間インターバルへの配慮とあわせてシフトを設計する必要があります。人員配置基準そのものとは別の論点になるため、労務面の詳細は事業所所在地の自治体(指定権者)や顧問の社会保険労務士にご確認ください。

よくある誤解しやすいポイント

夜勤配置基準についてよくある誤解の一つが、「夜勤者は施設全体で〇人いればよい」という理解です。グループホームの夜勤配置基準は施設全体の頭数ではなく、あくまでユニットごとに判定されます。2ユニットの施設で夜勤者を2人配置していても、片方のユニットに2人が偏っていて、もう片方のユニットに夜勤者が0人という配置は基準違反です。

また、「宿直」と「夜勤」を混同しているケースも見られます。基準省令が求めているのは実際に介護に従事する「夜勤」であり、断続的な待機を前提とする宿直勤務では代替できません。夜勤時間帯の定義や具体的な運用は自治体によって解釈の幅があるため、シフトを組む際は事業所所在地の自治体(指定権者)に確認しておくと安心です。

自施設のユニット数・入居者数に応じた必要人数をあらためて確認したい方は、まずは無料の人員配置基準チェッカーで確認してみましょう。

まとめ

グループホームのユニットごとの夜勤体制を組む際に押さえておきたいポイントを整理します。

  • 夜勤配置基準は施設全体ではなくユニット(共同生活住居)ごとに判定され、1ユニット1人以上が原則
  • 3ユニット運営に限り、同一階への隣接・安全対策などの要件を満たせば夜勤2人以上への緩和が認められる(要届け出)
  • 緩和特例を使うと夜勤者1人あたりの担当人数が増えるため、見守り機器や巡回動線の工夫が実質的な負担軽減につながる
  • 夜勤明けの休憩確保など労務面の論点は人員配置基準とは別に検討が必要
  • 制度の解釈は自治体(指定権者)によって幅があるため、判断に迷う場面は早めに相談する

よくある質問

Q. 2ユニットのグループホームでも夜勤緩和特例は使えますか?

いいえ、夜勤緩和特例は3ユニット運営の事業所のみが対象です。2021年度の介護報酬改定で導入されたこの特例は、3ユニットの各ユニットが同一階に隣接し、安全対策(マニュアル策定・訓練実施)をとっていることを要件としており、1ユニット・2ユニットの事業所には適用されません。

Q. 夜勤者は他のユニットの入居者対応を手伝ってよいですか?

基準上は各ユニットに1人以上の夜勤者を置くことが原則ですが、緊急時に他ユニットの職員が一時的に応援に入ること自体を直接禁じる規定はありません。ただし、恒常的に1人のユニットが手薄になるような運用は基準違反や事故リスクにつながるため、応援体制のルール化や見守り機器の併用について、事業所所在地の自治体(指定権者)に確認しておくことをおすすめします。

Q. 見守り機器を導入すれば夜勤者を減らせますか?

見守り機器の導入自体が直接的に夜勤者数の基準を緩和するものではありません。3ユニットの夜勤緩和特例における「安全対策」の一要素として見守り機器の活用が位置づけられるケースはありますが、基準上必要な夜勤者数(1ユニット1人、または緩和要件を満たした場合の2人)を機器の導入だけで下回ることはできません。

Q. 夜勤時間帯は具体的に何時から何時までですか?

介護報酬上の夜勤・深夜の時間帯の考え方は、施設の運営規程や勤務体制の届出内容に基づいて事業所ごとに設定されます。一般的には22時から翌5時を含む時間帯を夜勤・深夜として扱う施設が多いですが、具体的な時間区分の設定や解釈は事業所所在地の自治体(指定権者)にご確認のうえ、就業規則等に定めることが望まれます。

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